寛文五年堂が、うどんの味を決める一番大切な作業と考えているのが「捏ねる」という工程です。
うどん生地の段階で、生地に含まれる余分な空気を、しっかり押し出していきます。これはまさに重労働。冬の最中でも、職人の背中から湯気が昇るほどです。さらには、平押しを掛ける際に、再度空気出しを行うほどの徹底ぶり。
しっかりと空気出しが出来ているうどんは、シャキっとした歯ごたえがあり、コシの強いおいしいうどんに仕上がるからです。
余分な空気が残ったうどんは、気泡が残り、プツプツと大きな穴の開いた状態になっています。
寛文五年堂のうどんは、ご覧のように、ほとんど隙間がなく、きれいな断面をしています。
職人の丁寧な手仕事で作られたうどんは、見た目からして違うのです。
寛文五年堂「いなにわ手綯うどん」の断面/拡大
気泡が残る「稲庭うどん」の断面/拡大